灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

旅立ちの時

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私の義父が旅立ちました。

 
98歳という年齢を考えるとこれは尊敬し祝うべき旅立ちでした。
 
妻と結婚してから38年、義父は私の心の中である意味 越えようとしても越えられない高い大きな山のような存在でした。その存在を身近に感じて生活をすることは、ある意味グランドマスターの下で修業を積むようなものだったと思います。
 
 
私には3人の心に決めたグランドマスターがいます。
 
一人目は飾らず威張らず、ひょうひょうとして人生を笑い飛ばす精神を持ち、その精神を右半身不随になっても言葉を失っても死ぬまで失わなかった実父です。
 
二人目は頭の切れと勘の鋭さで今の会社を築いた社長です。
社長は脳梗塞の発作から奇跡的に蘇り現在車いす生活ですが眼光の鋭さは聊かも失われていません。
 
 
三人目が先日旅立った義父です。
義父はプライドと勤労の精神を尊び、社会的な成功をおさめたばかりか、手に入れたものをまた社会に還元するという、高邁な見事な人生を送りました。
一族の者を保護し出来うる限りの援助を与えるという、心の大きさも持ち合わせた方でした。
 
私はある意味この三人を尊敬していましたが、尻尾を振ってにじり寄ることはしませんでした。
ある程度の距離を置き呑み込まれないようにしてきました。
でもそれは頭で考えてそうしたのではありません。
それは私の元来の資質のよるものです。
 
三人のグランドマスターは私の心に告げています。
お前の旅立ちの時がきたぞ!
この道場で我々の下で学んだことをお前なりの形に昇華しなさいと…。