灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

2014-01-01から1年間の記事一覧

死ぬまで

ヒィヒィヒィと短い喘ぎ声をあげると まだ僅かに動く前足を震わせながら 今はもう土塊と化した後肢を引き摺り 必死に転げるように小屋から這い出て来る 排せつ物を巣でしないという 犬本来の本能がそうさせるのか その酷く臭い糞尿でさえ 彼女の生の証の様に…

too late or early

我々は月の裏側で未知の物体を発見したとNASAの報道官は興奮気味に捲し立てた。 送られてきた映像を見ると巨大な長方形の石板の様な物が月面に斜めに突き刺さっているのが分かる。 早速 国連の主導で国際調査隊が編成された。 各種の訓練の終え、5年後には宇…

ギィ~ あの日奇妙な音に私は思わずあたりを見回した。 犬と散歩中の私が排泄物を片付けようと公園の植え込みの中にしゃがみこんだ時だった。 そこは大きな自然公園で奥には火葬場が隣接してあり横は入り江に隣接していた。 大きな楠の木の向こうに視点が張…

六月

植えて20年近くなる琵琶の木に 今年初めて実がついた 橙色の実は全部で6つだった 6月6日に 公園で拾った犬が死んだ 十年近く家族だった 庭の大きな石の向こうに埋めた 綺麗好きな犬だった 寝たきりになってからも 排便をするたびに悲しい声で泣いた そうい…

困った事に

我儘の限りを尽くし したい放題を繰り返し 周囲を散々な目に遭わせ それでも肝心な大きなところでは間違ってない 或いは 日々の生活では思いやりもあり 忍耐も協調性もあり申し分のない人なのに 大きなところで間違う これだから 人生は面白い キリストや釈…

誰か私の犬を知りませんか?

誰か私の犬を見なかったですか? そうです 琥珀色の毛と 優しい目をした奴なんです いつもこの道を 私の傍らを歩いていました ほらここでよく綱を放していたでしょう あなたも見た事あるでしょう あの優しい犬です 誰か私の犬を知りませんか? ヨタヨタとこ…

そして私は犬を失くした

何も言えない奴だったけど いつもじっと私を見ていた 嬉しい時も悲しい時も いつも私の方を向いていた 私は良い飼い主ではなかったから 抱きしめてやることもしなかった 時たま気まぐれに荒々しく触るだけ それでも嬉しそうに尾を振っていた あの夏の日 ひど…

お前の不在

生活のそこかしこから オマエの存在を証す薄いベールが消えてゆく もうこの世のどこを探しても オマエはいない あの嬉しそうな顔も さりげない優しさも 記憶の中に退いてゆく もっとたくさん 抱き締めるべきだった もっとたくさん 共に過ごすべきだった これ…

唐突

けさ犬が死んだ 朝の三時過ぎだった 寝たきりになって 二時間おきにオムツとマットを交換していた 今朝の一時から三時の間に変わり果てた姿になっていた パジャマのまま庭にスコップで穴を掘った 根や石が邪魔をして掘り終えるまでに一時間くらいかかった 穴…

通夜の席で

94歳の伯父は絵を描く事が好きだった 大きな展覧会に入選した事もある 幼い頃アパートの三畳の部屋には 伯父の描いた九重の絵が飾ってあった その伯父の訃報が今日届いた 通夜の式典が終わり 伯父の顔を従兄弟たちと並んでみていると 未亡人になったばかりの…

今日の1枚

久々の洞海湾の日の出 朝もやを突いて船は外洋へ出てゆく

ランダム

君を気儘に遊ばせるために 百人の奴隷が足を鎖で繋がれて 24時間狭い船底でオールを漕ぎ続けている 自由とはそういうものだ たとえ君の眼に見えなくとも 君の為にアジアやアフリカで オールをこぎ続けて一生を終える者がいる 君は単に生まれた場所が良かった…

呻き

ヒリヒリと喉の奥に漠然とした恐怖あり 背には突き立つ数本の見えない矢 腹部にはゆっくりと血を吸う蛭一匹 よく見れば道は所々崩れて奈落の底が口を開けている 皆 必死で逃げている 皆が逃げてゆく その先は暗闇で 悲鳴だけが木霊する 漠然とした恐怖あり …

ゴング

世界は 11ラウンドのボクサーのように 全てに倦んでいた のろのろとステップを踏み 惰性の拳を振り回す 自らのまき散らす 臭い吐息とぬるぬるとした汗にまみれ 朦朧とした意識の中で 相手を見失い ゴングに救いを求めていた このままでは勝てない事を 誰もが…

黒崎ヨサコイ祭り

黒崎の旧長崎街道の松林の横に 巨大なスーパーの駐車場が出来て もう駐車場で苦労することはなくなった。 これだけの巨大な松の林は珍しい メイン会場のひびしん広場は宴たけなわ 3つの会場に分かれているので街の中をぞろぞろと出演者が移動する 普段は寂れ…

田川

田川の川渡神幸祭

母の日

東京に住む妻の兄夫婦が妻の両親を食事に招待したいと言うので場所の選定を任された。 私達夫婦もご相伴に与りゆっくりとしたひと時を過ごした 場所は八幡西区の閑静な住宅街にある馳走中村 奈良で修業されたご主人が作る純和風の料理と和服を召した仲居さん…

今日の4枚

セリを買いにかっぱの里に行ったら 開店前なのに長蛇の列 皆の目当てはこれ セリはなかったけど 偶然手に入れたこのトマト 凄く濃い味で 抜群に美味かった もんだいのセリは ここで自分で収穫した 中央の薄緑は全部セリ そういえば今朝の朝日も綺麗だった

今週の5枚

運動場に建設中の校舎はかなり出来上がった 久々に若戸大橋から見る日の出 海辺は北が吹いて寒い 釣り桟橋も人影は疎ら 砂に埋まっているのは誰だろう

GW

GWの間仕事が忙しい次男の子を預かった 4日の日はどんたくへ 玩具も2つ3つ買ってやって三日間は過ぎた 無事家まで送り届けて 帰りは二人 そのまま帰るには遣る瀬無く 門司港レトロに寄った 夜風は冷たく妻は軽装で温かい飲み物が欲しかった ちょうどテナ…

今日の7枚

今日久々空き時間が出来て写真を撮った

赤の中の青

誰かのおこぼれを頂戴するには 尻尾を振る事が必要だ 上手く生きる事と 懸命に生きる事は 一見似ているけど かなり違う 鬼になる事でしか 手に入らぬ物もある 鬼になる事で見えなくなる物もある ぐだぐだ言ってる間に流れに運ばれてしまう それぞれに物語は…

世界に紹介された河内藤園の映像

KAWACHI FUJI GARDEN - JAPAN

新しい藤の名所

河内藤園がこの世のものとは思えない素敵な場所の ベストテンにランクインし今世界中から注目されている 高校生までは無料の入場料はこの日は900円 満開になると1000円になる 園内には英語や韓国語やアラビア語が飛び交っていた。

今日の1枚

藤の名所吉祥寺 来週からは藤まつりも始まる 朝の早い時間で人も疎らだった 清らかな藤の芳香が朝の陽ざしに心地よかった

老人ジェット ある臆病者の系譜

石楠花の咲き乱れる犬ケ岳の頂上付近で二人の白骨遺体が発見されたという小さな囲み記事を目にした時、塔堂心亮はまだ二十代の半ばで、毎日がちんけなM1グランプリのステージに立っているかのように慌ただしく過ぎていってた。 未熟な自分を抱えての新婚生…

今日の2枚

久しぶりに夜明けの洞海湾を撮ってみた 最近はソニーのHDRに嵌まっている 此の滲み具合 これが一番私の感性に合っている

残滓

勇敢な者は皆 自ら命を絶った ここに残っているのは どうしようもなく卑怯な弱虫と 屈託のない笑い声をあげる 頭が空っぽな兵隊だけだ そして私は弁解ばかりして 逃げてばかりいる 逃げ回りながらも どこにも逃げ場はないのは うすうす感付いている よく見れ…

ミノルタハイマチック 初代

また古いカメラを手に入れました。 ミノルタハイマチックの初代です。 デジカメではなくてフィルムカメラです。 それも電池を一切使わないマニュアルシャッターです。 このカメラはNASAに選ばれてアポロに装備されました。 早速フイルムを装填して試写して…

今日の1枚

妻と花見に行ってきました。 今咲いてる桜は週末には散ってしまうとお天気キャスターが云うので…(/_;)